ジョジョの奇妙な冒険 第三部 (ジャンプコミックス12〜28巻)

 作者

荒木 比呂彦(あらき ひろひこ)

ジョジョの奇妙な冒険 12 (ジャンプ・コミックス)
 出版社

集英社

 あらすじ

突如特殊能力に目覚めた主人公。祖父と共に宿敵を倒すため旅立ち、戦いの中で仲間を得ていく。


「嫌でもこの一話だけは読ませたい」

荒木比呂彦作品と言えば、独特の作画や世界観が特徴で、 同作品もそれらの魅力が存分に味わえる。 一部や二部を押す人も多いが、表題にもある通り第三部のみをノミネートとしている。

絵柄については読者を切り分けてしまう重要な要素であり、 この作品も「魁!男塾」や「北斗の拳」のようなどちらかと言えば濃いもので、 馴染める人とそうでない人に分かれてしまう。 同作品のように「絵的にダメ」と言う人のいる作品は一般的に大ヒットとなるものは珍しい。 また、そのような理由から読んでいないのであればとても勿体無い話である。

第三部のみをノミネートとしているのは、ジョジョシリーズの中では比較的あっさりとしたキャラクターデザインとなっていることが理由のひとつだ。(序盤はそうでもないが) また、コメディ部分も他と比べると多いため、多くの人におすすめできる。 特に第三部では登場人物の一人である「ポルナレフ」の人気も高く、 彼が多くのコメディ要素に貢献しているので、物語を通して気楽に読めることが大きい。

それでもなおこの作品を読む気にならないと言うのであれば、 物語終盤の「亜空の瘴気、ヴァニラアイス」の一話(正確には26巻一冊)を読んで欲しい。 先に述べたコメディ要素は全くないが、この一話だけに関して言えば名作としても多くの人が頷くだろう。 動物とその死という要素は「ずるい」と言われがちなものではあるが、 それはこの一話を構成する一部であるだけだ。 筆者はこの一話だけで言えば、数十回ではきかないほど何回も読んでいて、一話限定ならこの話が他の作品を含めて一番多く読んでいるかもしれない。 全く違う内容ではあるが、「あの花」の最終話と比較しても甲乙付けがたいものがある。 はっきり言うと、嫌でもこの一話だけは読ませたいほどだ。 もしそれでおもしろかったと思ったら第三部全部を、 更には全シリーズ通して読んで欲しい。