あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。 (アニメ)

 作者

岡田麿里

あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。 1 【通常版】 [DVD]
 製作会社

A-1 Pictures

 あらすじ

主人公は幼い頃に仲の良かった少女と再会する。しかしそれは亡くなったはずの少女だった。それをきっかけに当時の友達達との交流が始まる。


「声を出して泣いた作品はこれ以外にない」

始めに言ってしまうが、この作品の最終話ほどに泣いた作品はない。 ここにノミネートとしているのはその最終話があまりにも秀逸であるからだ。

物語は主人公と幼馴染だった仲間達それぞれが描かれていく。 序盤から終盤にかけてそれは続き、最終話に集約される形となっている。 人物像の薄っぺらな作品が多い中、同作品では一人一人じっくりと描かれている。 そしてそれによってより感情移入され、ストーリーにのめり込んでいく。

反感を買うかもしれないが、全体を通してみればノミネートに入れることをためらってしまう。 それは最終話を除けば、一話一話が淡々と進む為に「途中で飽きてしまう」人がいるかも知れないからだ。 だがあの最終話がある以上、ノミネートに入れないわけにはいかない。

この作品の最終話は視聴者が大満足できるものになっている。 ストーリーの途中から「こうなればいいのに」や主人公を除くキャラクターに「こう言いたい」と思っていたことが最終話に全て実現する。 それはこれまでこつこつと積み重ねてきたストーリーの集大成であり、 それぞれの人物を細かく描いてきたからこそ出来たとも言える。 正直に言うと、あの最終話をここで語るのはあまりにもチープで、 いくらここで絶賛したとしてもそれを感じ取ってもらえる事は出来ないだろう。 ただ一つだけ言いたいのは、声を出して泣いた作品はこれ以外にないということだ。 喜びなのか悲しみなのか分からない感情と涙がとめどなく溢れ、エンディングを迎えてもなおそれは収まらなかった。 「あの花、最終話良かったね」などとはとても言えず、その話題だけでもう何も言えなくなってしまう。 個人的には軽々しく最高だとか傑作だとか、人で言えば天才であるなどと言うのは好きじゃない。 それでもなお言いたい。 この作品の最終話は「究極」であると。