11人いる!

 作者

萩尾望都

11人いる! (小学館文庫)
 出版社

小学館

 あらすじ

10人共同で行う大学の卒業試験。古い宇宙船での共同生活を舞台にした試験が始まってすぐに一人多いことに気付く。外部に連絡することは試験放棄とみなされ全員失格となる。その人物は何者なのか。果たして彼らの選択は。


「数十回読んでいるが、もしかすると数百回読んでいる人もいるかもしれない」

多くの人に名作と言われるこの作品をまだ読んでいなければ、 「本当に名作なの?」と疑いながら読んで欲しい。 そして、読み終わった時に必ずこう言うだろう。 「11人いる!」と。

本来10人で行われるはずの試験だが、物語の序盤で11人いることに気付く。 とにかくこの作品はタイトルである「11人いる」ことに集約されている。

外部との連絡は即失格となっているこの卒業試験は、期間中様々な問題をクリアし、 いわば「無事に切り抜ける」ことが合格への道となっている。 それが1人多いことで「足を引っ張りに来た奴がいる」と疑心暗鬼となり、「仲間」から「仲間外れ」を探すようになる。

この作品の登場人物の一人は、成人する時に男になるか女になるかを選択する種族で、 そのヒロイン(?)の評価が極めて高い。 しかしこのサイトではその部分の設定を全く抜きにしても、この作品が名作であると言わざるを得ない。 それは設定でもあるし、ストーリー展開でもある。

コミックス一冊にまとめられている事も、この作品の魅力を高めているのではないだろうか。 古い作品である為、コマ割りも細かくセリフも少なくはない。 一冊の割には比較的長い時間をかけて読むことになるが、 それでも1時間もあれば読めてしまうので、気楽に読み返すことができるため、「もう一回読もう」と思わせる。 筆者は数十回読んでいるが、もしかすると数百回読んでいる人もいるかもしれない。